ゴムクローラーの処分方法


これまで使用してきたゴムクローラーが劣化したり破断したりして交換するとき、どのように処分すれば良いのでしょうか。

 

交換を業者に依頼する場合であれば、そのまま処分も業者に依頼することで解決します。しかし、その場合は費用がかかってしまうのが問題です。そのため、自分自身でゴムクローラーを処分する方も多いです。

 

ただし、ゴムクローラーを処分するにあたっては、ゴムクローラーの取引区分や法的な規制についての知識を身につけておかなければなりません。また、業者に依頼する場合や自分で処分する場合でやり方は変わってきます。

 

そこで、本記事ではゴムクローラーの処分にあたって必要となる情報をご紹介します。

1.ゴムクローラーを処分する際の基礎知識

ゴムクローラーを処分するにあたって身につけておくべき基礎知識としては、ご自身の所有するゴムクローラーの処分区分、すなわち産業廃棄物にあたるのかどうかを知っておかなければなりません。

 

産業廃棄物にあたるとなると産業廃棄物処理法の規定に処理する必要があるため、処分する際の法的な規制についても確認する必要があります。

 

また、処分する場合、専門の産業廃棄物処理業者に依頼する方法もしくは自分で処理の手続きを取らなければなりませんが、処理方法については廃棄予定の場所の都道府県によって取り扱いが異なってきます。

 

詳細については近隣の市町村の窓口に処理方法を確認することがおすすめです。これらの手続き内容についても理解しておきましょう。

1-1.ゴムクローラーの処分区分は?

廃棄物処理法上での処理方法の区分としては、紙くずや木くず、ゴムくず、廃油や廃プラスチックというような産業廃棄物とこれ以外の一般廃棄物に分かれます。

 

どちらに該当するかで処分方法が異なってきます。

 

そこで、ゴムクローラーを処分するにあたって、まず初めに問題となるのが、一般廃棄物にあたるのか産業廃棄物にあたるのかどうかです。

 

ゴムクローラーは自動車のタイヤに似た機能を有していますが、自動車のタイヤは廃プラスチックとして産業廃棄物に指定されています。そのため、自動車のタイヤに類似するゴムクローラーも産業廃棄物に該当すると考えられます。

 

産業廃棄物にあたるかどうかは素材が環境公害を引き起こす危険があるのかなどの観点から問われるため、ゴムクローラーの素材構成から詳しく確認していきましょう。

 

ゴムクローラーは、さまざまな素材から作られていますが、その構造としては、ゴムクローラー自身の張力を保つためのスチールコードとスチールコードを補強するための芯金(リンク)、そして本体部分をカバーするために表面に覆われるカバーゴムからできています。

 

これらの重量構成としては、構造上の5~6%を占めるスチールコードと50~60%を占める芯金(リンク)部分とが鉄鋼となっていて、残りの35~45%がこれらを包み込むカバーゴムとなっています。

 

このように、ゴムクローラーには主に鉄鋼とカバーゴムが用いられているのですが、これらの成分は、自動車に用いられるタイヤと同じものが使用されています。

 

そのため、自動車のタイヤと同じく廃プラスチック類に指定されることになります。

1-2.ゴムクローラーの処分に関する法的規制

さて、ゴムクローラーが産業廃棄物処理法の産業廃棄物、廃プラスチックに分類されることがわかったところで、処理についてどのような法的規制がかかってくるのでしょうか。

 

産業廃棄物処理法では、環境保護の観点から、厳密に処理方法が定められています。

 

まず、産業廃棄物処理法の第11条第1項において、「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。」と規定しています。

 

事業者とは、ゴムクローラーを取り扱っている事業者のことで、具体的にはゴムクローラーを装着する機体を扱っていた使用者やゴムクローラーの処理を依頼された整備事業者を意味します。

 

次に、「自ら処理」というのは、

  • ゴムクローラーを自分で運搬すること
  • ゴムクローラーを自分で処理すること
  • ゴムクローラーを産業廃棄物処理業者に委託すること
  • ゴムクローラーを運搬するまで保管すること

の4点について、つまりはゴムクローラーの保管と運搬、焼却処理や埋め立て処理について意味します。

 

また、「処理」をする理由が、産業廃棄物の再利用、再生利用、または転用や他者への売却、譲渡などが目的であったとしても、産業廃棄物処理法の基準を守る必要があるのです。

 

次に、ゴムクローラーつまり産業廃棄物を処理するにあたっては、報告義務に応じる必要があります。

 

産業廃棄物処理法第18条において都道府県知事又は市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、事業者、産業廃棄物業者から保管や収集、運搬もしくは処分について必要な報告を求めることができるとしていますし、第19条では事業者について立ち入り検査を行える旨を定めたうえ、反している場合は改善命令や措置命令をとることができると定めています。

 

ゴムクローラーの処理にあたって、これらの基準に違反した場合は、産業廃棄物処理法の罰則規定によって処罰される可能性もあるので、これらの法的な規制には十分に注意して処分を行いましょう。

2.ゴムクローラーを処分する方法

ゴムクローラーを処分する方法のイメージ画像です

 

それでは、ゴムクローラーを処分する方法について検討していきましょう。

 

あなたが予定している処分方法はご自身で処分する方法でしょうか、もしくは、産業廃棄物の処理業者に依頼をする方法でしょうか。実は、所有しているゴムクローラーをどのように処分するかによって手続き内容は異なってきます。

 

具体的には、自分でゴムクローラーを処理する場合は、自ら処理手続きを進める必要があります。

 

産業廃棄物処理業者に依頼する場合は、ゴムクローラーの収集や運搬、最終的な処分方法(焼却や埋め立てなど)までも業者に任せることになります。

 

ただし、どのような業者に依頼しても良いのではなく、産業廃棄物処理法上で産業廃棄物を処理できる業者は明確に指定されているので、この条件に合う産業廃棄物処理業者を探さなければなりません。

 

適切な産業廃棄物処理業者が見つかった場合、委託契約を結んだうえで、処理手続きを代行してもらう必要があります。このとき、ゴムクローラーの収集運搬業者と処分業者とが異なる場合は、それぞれについて、もしくは3者間での契約をしなければなりません。

 

これらの契約は書面によって締結する必要があるのですが、ゴムクローラーの処理方法について詳しく記載する必要があるため、次の項で詳しく確認してみましょう。

2-1.業者に依頼する方法

日常的にゴムクローラー付きの機械を使用しているものの、その処理が自分でできない場合、取りうる方策としては産業廃棄物を専門に取り扱う業者に依頼する方法があります。

 

では、ゴムクローラーの処分を業者に依頼する場合、どのように進めていけばよいのでしょうか。

 

まず、ゴムクローラーの処分は、廃棄物処理法の規定に則って手続きをしなければなりません。

 

ここでいう「処分」とは、産業廃棄物の収集や運搬、処分や再生、保管や埋め立て処分、海洋投げ入れ処分をさしますが、ゴムクローラーの場合は主に収集と運搬、処分と再生、保管方法と埋め立て処分方法が問題となります。

 

許認可を受けている業者に依頼

産業廃棄物の処理を依頼する業者についても取り決めがされていて、産業廃棄物処理法第12条第5項では、産業廃棄物の運搬または処分について事業者が行うのではなく、他者に対して委託する場合には都道府県知事の許認可を受けている「産業廃棄物収集運搬業者」もしくは「産業廃棄物処分業者」に依頼しなければならないと定められています。

 

書面で契約締結

また、具体的な契約を進めるにあたっては委託契約を締結する必要があり、書面で行います。

 

契約書の内容としては、処分するゴムクローラーの種類と数量、ゴムクローラーを処分するために運搬する最終目的地、さらには処分方法と処分をする場所を記入します。

 

これらの記載内容については、都道府県や政令指定都市ごとに内容が異なるため、詳細は最寄りの都道府県にある窓口もしくは政令指定都市の窓口に問い合わせましょう。

 

契約締結にあたり、同一業者が産業廃棄物の収集、運搬、処分を共に行う場合は契約は1回でおこなえますが、収集や運搬、処分がそれぞれ別の業者で行われる場合もあります。

 

そのときは、収集、運搬、処分というように依頼者はそれぞれの業者と契約を結ぶ必要がありますし、依頼者と業者間での連名契約を結ぶこともできます。

 

産業廃棄物処理業者ではない業者に依頼したり、法律に違反して処分した場合は、産業廃棄物処理法違反となって罰則の適用があるので、注意しましょう。

2-2.自分で処分する方法

ゴムクローラーは上述の通り産業廃棄物に該当するため、その処分にあたっては、自ら、もしくは専門の産業廃棄物処理業者に依頼して廃棄しなければなりません。

 

産業廃棄物処理法上では、第11条1項において「事業者は、その産業廃棄物を自ら処分しなければならない」と定めています。その処分方法として考えていただきたいのが、再生(リサイクル)や焼却、埋め立てです。

 

リサイクル

自分で処理する場合で、一番容易なのがリサイクルです。ゴムクローラーの素材は鉄鋼やゴムでできていて、これらの成分は再生可能となっています。

 

埋め立てか焼却

自ら処分する別の方法としては、事業者自身がゴムクローラーを細かくして切断の上埋め立て、もしくは焼却する方法が考えられます。

 

ゴムクローラーは細かくしてもその素材上、産業廃棄物には変わらないので、自治体で回収しているような粗大ごみとしては取り扱ってもらえません。そのため、自ら埋め立てたり焼却する必要があるのです。

 

ただし、ゴムクローラーを処分するにあたっては、環境省令が定める技術上の基準に従って環境保全上支障がないように保管しなければなりません(産業廃棄物処理法第12条2項)。また、保管にあたっては同法第12条3項において都道府県知事に保管する旨を届けなければならない旨が定められています。

 

さらに、自身で処分をする場合、ゴムクローラーには成分上、合成ゴムなど合成高分子系化合物が含まれているため、廃プラスチックとして処分しなければなりません。焼却によって環境汚染が生じる可能性があるため、自ら責任を持って適切に焼却もしくは埋め立て処理をする必要があります。

 

例えば、小さく切り刻んで一般ごみとして捨てるというように、規定に反して処分した場合には罰則が適用されます。

 

不法投棄をした場合や収集・運搬・処分の取り決めに違反した場合は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金を支払わなければならないケースもあるため処分は適切に行うようにしましょう。

 

自分で処分する方法のイメージ画像です

まとめ

いかがでしたか。

 

上述のように、ゴムクローラーは、鉄鋼やスチールコード、カバーゴムによって作られているため、産業廃棄物に該当します。そのため、処分にあたっては、一般の粗大ごみではなく産業廃棄物処理法に則って処分しなければなりません。

 

自らが産業廃棄物処分業者として生業を行っている場合は問題ありませんが、個人での廃棄には手間がかかってしまいます。

 

可能であれば、リサイクルに持ち込んだり専門の業者に依頼することをおすすめします。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。