ゴムクローラーの交換時期を見分ける三つのチェックポイント


建設機械などに使用しているゴムクローラーの点検は、定期的に行っていますか。

 

現場で使用する頻度が多いほど、ゴムクローラーは摩耗して破損しやすくなっています。知らない間にヒビやキズが入っていたり、接地する部分がすり減ったりしている可能性があります。

 

また、使用年数が長いと目に見えない傷が入っていることもあるので切れてしまう前に交換が必要です。

 

では、ゴムクローラーを交換する時期の目安はどれくらいなのでしょうか。

 

本記事では、3つのチェックポイントに分けてご紹介します。

1.古いゴムクローラーを使うデメリット

古いゴムクローラーを使うデメリットのイメージ画像です

現在お使いのゴムクローラーはどれくらい前に交換されましたか。

 

まだまだ使えるだろうと交換作業を先延ばしにして、かなり時間が経ってはいないでしょうか。

 

確かに、ゴムクローラーを交換するにはいろんなデメリットがありますよね。例えば、新品のゴムクローラーはとても高額ですし、2本同時に交換するとなるとかなりの費用が掛かってしまいます。 交換作業に手間がかかり、交換作業中は機体を動かすことができないのも問題ではないでしょうか。

 

さらに、ゴムクローラーを交換する際には汚れを落とす作業もしなければなりません。また、作業は慣れていないと、1人では行うことが難しく、人手も必要になってしまいます。

 

このような理由から、ついつい交換作業を先延ばしにしがちです。

 

ですが、古いゴムクローラーを使い続けていると、安全面でも機能面でも問題が出てきます。

 

ゴムクローラーは使用しても、しなくてもゴム素材が劣化してきてしまいます。そのため、あなたが気が付かない間にゴムクローラー本体にひびや亀裂が入ってしまっていたり、リンク(芯金)部分は鉄ですが、鉄の部分も摩耗していきます。

 

こういった状態のままゴムクローラーを使い続けると、突然ゴムクローラーが機体から外れてしまうことも。

 

また、機体やゴムクローラーに問題があるだけなら良いのですが、例えば、農業用コンバインを使っていてゴムクローラーが切れてしまった場合、すぐに交換はできないでしょう。その場合、本業に支障が出てしまい、経済的な損失も出る可能性だってあります。

 

このようなリスクを取ってまで古いゴムクローラーを使う理由はありませんよね。

 

そのため、今現在ゴムクローラーの状態がぱっとみて問題がないように見えたとしても、定期的に状態確認を行う方がいいといえます。

 

トラブル防止の意味でも、こまめに確認するようにして、ゴムクローラーに異常がみられたらすぐに交換できるようにしておきましょう。

 

また、使用年数が経っていてそろそろ交換時期を迎える場合は、あらかじめ新しいゴムクローラーを準備しておくことも大切ですよ。

 

農業用コンバイン、除雪機など機体を使用する時期が限られているもののゴムクローラーは、繁忙期には在庫切れとなってしまう場合が少なくありません。

2.ゴムクローラー交換の3つのチェックポイント

では、ゴムクローラーの交換時期としてはどのような目安を確認すればよいのでしょうか。

 

例えば、多くの方に馴染みのある自動車のタイヤの場合だと、走行距離や溝の減り具合、購入してからの期間などがチェックポイントとなりますよね。

 

実は、ゴムクローラーについてもほぼ同じようなポイントで交換すべきかどうかを検討することができます。

 

ゴムクローラーの場合は、

  1. ヒビやキズが入っている場合
  2. ゴムの山がすり減っている場合
  3. 使用年数が長い場合

この三つで交換すべきかを判断します。

 

それでは、これらの3つのチェックポイントについて詳しく確認していきましょう。

2-1.ヒビやキズが入っている場合

ヒビやキズが入っている場合のイメージ画像です

ゴムクローラーを交換する目安となる1つ目が、ゴムクローラー本体にヒビやキズが入っている場合です。

 

小さなものであれば、まだ様子を見てもいいかもしれませんが、あまりに大きなヒビや深さのあるキズが入っている場合は、早急に交換する必要があります。

 

ゴムクローラーの本体にヒビが入る理由としては、長期間の装着と使用による経年劣化が考えられます。小さなヒビは目視では分かりにくいのですが、放置しておくことで目視できるサイズのヒビに変わっていきます。

 

ヒビができてしまう原因は、高温状態での使用や縁石などへの段差を乗り上げる際の重さ・接触が原因とです。

 

特に、夏場は要注意といえます。35度を超すような炎天下ではアスファルトなどの地盤が40度を超えてしまうくらい、とても高温になってしまっています。ゴムクローラーの主構成はゴムである以上高熱に弱いため、その地盤の上で運転をするとゴムクローラー自体の摩耗・損傷は避けられません。

 

また、紫外線には素材を乾燥させて劣化させる働きがあるため、屋外に長期間駐車しておくこともヒビができる理由となります。

 

ゴムクローラーを装着している機体は、建設現場や農業現場などでの利用がメインだと思います。これらの現場には小石のように鋭利なものや泥のカタマリなどゴムクローラー本体にキズをつけかねないものがたくさん落ちています。

 

これらは作業にあたって避けるに避けられないのが困りものではないでしょうか。

 

業務のために普通にゴムクローラーを使用するだけでも、小石や泥のカタマリは容赦なく本体に小さなキズを与えてしまいます。

 

たとえ、目に見えなくても小さな傷はたくさん入っているのです。また、これらのキズが積み重なってくると大きなひび割れを生じたり深さがあるキズにも変わっていきます。

 

小さなキズの中に小石が入り込んでいるのに気が付かずそのまま運転を続けた結果、負荷がかかってしまい、キズが割けてくることだってあります。

 

そのため、目視でキズがわかるようになったらゴムクローラーが破損しかけているサインと考えて、すぐに交換できるように準備をすることが大切です。

2-2.ゴムの山がすり減っている場合

タイヤがすり減っている場合のイメージ画像です

ゴムクローラーを交換する目安の2つ目が、ゴムの山がすり減っている場合です。

 

コンバインや建設機材など、ゴムクローラーはさまざまな機体に装着されますが、地面に直接的に接触する部位のため消耗しやすくなっているのが特徴です。

 

ゴムクローラーの接地する面には山が作られていて、凹凸がある地盤や土砂、岩石が多い地盤でもスムーズに走行できるように設計されています。

 

ところが、走行を繰り返していくうちに、ゴムクローラーの表面は摩耗していきます。新しいゴムクローラーの場合、素材も新しいため使い始めは摩耗しにくいのですが、長期的に使用することで経年劣化が発生し、ゴムクローラーは傷みやすい状態になってしまいます。そのままで走行を繰り返すとより摩耗しやすくなるのです。

 

では、タイヤがどの程度すり減ったら交換時期を迎えたといえるのでしょうか。

 

一般的には安全を根拠に、使用から5年程度経過した場合もしくは、タイヤが5分の1(残り2部山)程度まですり減った場合に交換するのが良いと言われています。

 

ですが、ゴムクローラーは高額商品のため、できることなら交換時期を先送りしたいと思う方が多いのではないでしょうか。実際多くの方にとっては、ゴムクローラーは切れそうな場合や切れた場合に買うという考え方の人が多いと思います。

 

しかし、ゴムクローラーがすり減って山がほとんどない状態のままで機体を稼働させてしまうと、事故のリスクが高まってしまいます。

 

通常の高い山がある場合であれば足場が悪い地盤であっても比較的容易に走行しやすい設計なのですが、すり減っている場合は、足場が悪いとゴムクローラーが地盤に対して滑りやすくなってしまいます。この状態で作業を進めると機体の横転などの大事故につながりかねません。

 

ですので、使用年数が5年・5分の1(残り2部山)まですり減った場合を目安に交換していただければと思います。

2-3.使用年数が長い場合

ゴムクローラーを交換する目安の3つ目が、ゴムクローラーを装着してからの年数が長い場合です。

 

新品のゴムクローラーは耐久性も高く弾力があり傷がつきにくい状態となっています。新品のゴムクローラーの表面は少し油がかっていて手で触ると軽いベタツキを感じることはありませんか?

 

このベタツキは、生産過程で施される油分です。

 

ゴムクローラーはその素材の性質上、乾燥するとひび割れができやすくなっています。生産時には乾燥による劣化を防ぐために油分を施し、より傷つきにくく加工しています。

 

ところが、ゴムクローラーを長期的に使用していくと、この油分が蒸発してゴムクローラーから抜けていきます。

 

特に、乾燥状態がひどい場合は、油分はすぐに抜けていきます。簡単なところで言い換えると、新しい輪ゴムは伸びが良く柔らかいですが、使用後時間が経つと輪ゴムは乾燥して切れやすくなりますよね。これはまさに輪ゴムが油分を含んでいて、時間と共に劣化していくことに起因します。そして、これと同じ事象がゴムクローラーにも起こっているのです。

 

もちろん、すぐに油分が抜けるというわけではありませんが、装着後、半年、1年後と比べてみるとやはり徐々に抜けてより乾燥が進んでしまいます。

 

乾燥が進むとゴムクローラー本体が硬くなっていき、柔軟性、伸縮性が悪くなっていきます。その結果、たとえば小石を踏むというようなちょっとした衝撃でもゴムクローラーには大きなダメージとなりヒビ割れや深い傷ができてしまうのです。

 

また、使用年月が長いゴムクローラーの場合は突然割れてしまう恐れもあります。ゴムクローラーというと数万円する高い買い物ですし、できるだけ長く使い続けたいという気持ちも分かります。

 

ですが、万が一の事故を防ぐためにも、使用後5年前後を一つの目安に交換しておく方がいいでしょう。また、商品によっては使用年数が記載されているものもあるので交換時期の参考にしてください。

 

もちろん、それらの時期とは関係なく使用頻度が高い場合は、万が一の損傷に備えて早め早めに交換するように心がけておきましょう。

まとめ

ゴムクローラーの交換時期については、いつごろ行えばよいのか迷いがちですよね。

 

確かにゴムクローラーは高額のため予算的に交換ばかりするわけにいきませんし、交換するとなると時間が必要となるため、つい先延ばしになってしまいがちです。

 

しかし、交換を怠っている間に、ゴムクローラーにできてしまったヒビやキズがひどくなると大きなひび割れが生じたり、ゴムクローラー自体が切れて機体の稼働に支障が出てきてしまいます。

 

早め早めの対策で、 具体的なポイントとしては、ゴムクローラー本体にヒビやキズを発見した場合、タイヤがすり減っている場合、使用年数が長い場合が交換の目安となります。

 

ご自身のゴムクローラーに異常がないか、作業前には確認することをお勧めします。


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